March 26, 2008
その人と最後に日本で会ったのは去年の春の東京だった。地球の裏側、ブラジルのクリチバから大きすぎる息子たちを何人も引き連れ、わたしの職場を訪れていた。
その人のチームは、南米人は時間を守れないというお決まりの期待を見事に裏切り、いつも予約した時間きっちりに現れ、わたしを大慌てさせた。それから試合数日前だというのに、短時間にびっくりするくらいの激しい練習をして、さわやかにホテルへと帰って行った。
わたしはそのチームが本当に大好きで、大会の度にみんなに会えるのが嬉しくてたまらなかった。
前回ブラジルに長期滞在していた時はアカデミーで練習させてもらっていたので、単なる仕事上の付き合いというより、ぶっちゃけ自分も一緒になって応援していた。日本で会うたびに、
「クミはいつブラジルに戻ってくるんだ?」
そればっかり聞かれた。わたしの答えは決まってこれだった。
「うーん、今は忙しすぎて帰れない、PRIDEが無くなったら帰れるよ。」
みんなで大笑いした。そんな日は決して来ないって思っていたからだ。
でもその日は本当に来た。そしてみんなに会えない時間が随分と続いた。わたしは何をしてても抜けがらみたいに過ごしていた。
いきなり会えなくなっちゃってから丁度1年、また再会できる日がやってきた。
今度はわたしが地球を半周してブラジルに帰ってきた。そして今度はわたしが彼のチームを訪れた、クリチバのCHUTE BOXEアカデミーだ。
でもあの頃のチームとは違う。ヴァンダレイもショーグンもニンジャもいないなんて、なんだかこの目で見るまで信じられない気分。
時間は決して止まらない。絶えず流れ続け、物事の形を変えていく。そしてチームの形も。
チームの代表選手がいなくなって、会長自身はどう思っているんだろう。はっきり聞いてみたい気がするし、聞いちゃいけない気もするし内心とっても複雑だ。約束の時間を少し過ぎたころ、フジマール会長が愛車の4駆で道場にやってきた。
「お久しぶりです、フジマール!」
「おー、元気だったかい?本当に久しぶりだ!!」

「今回はどれくらいクリチバにいるんだ?」
「えっと1週間くらいです。その後はまた旅に出る予定です。」
「またリオにいくのか?」
「へへへ。」
「そうか、そうか。楽しんでいくようにね。」
「フジマール、忙しいのにわざわざ今日は時間を作ってくれてありがとう。今は市のスポーツ関連の業務に携わってるって、実際はどんなお仕事をしているの?」
「クリチバ市の全てのスポーツに関する業務だよ。サッカー、バレーボール、テニス、バスケ...全てのスポーツだよ。」
「へーお忙しそうですね。」
「ああ、本当に考えることばかりだ。今日も本当は市民参加の会合があってね。既に大遅刻しているよ。」
「ええっ、もう行っちゃうんですか?」
「おっ、クミも来るか?」
「えっ、わたしも行ってもいいの?」
「ああ勿論だよ、着いてきなさい。」
そう言って、さっそくわたしたちは車の中に乗り込んだ。本当に多忙そうだ。車中で、正直な気持ちを話してみた。せっかく親切にしてもらってるのに、抜けちゃった選手の名前を口に出したら機嫌を損ねるだろうか。
「ねえ、フジマール聞きたいことがあって。わたしは、本当にチームのみんなが大好きだったから、今回みんなが抜けちゃったこと、とってもショックだった。」
「ああ、よくわかるよ。」
「辞めちゃった選手のことは今も凄い怒ってるの?それとも悲しい気持ちでいる?」
「ああ、この件は本当に多くの人々を驚かせたね。非常に残念だという気持ちでいるよ。わたしが作り上げた強いチームだからね。それに彼らを育てたのはわたしだし、彼らのことは本当に大好きでいたからね。」
なんだか、とっても複雑で寂しそうな表情に見えた。聞いてて、わたしもなんだか切なくなってしまった。でもこれはとっても大切で、これだけは聞かなきゃいけなかったことだから、聞けてよかった。
「ねえフジマール、これからまた若い選手をじゃんじゃん育てて強いチームを作っていくんでしょ。」
「ああ、そうさ。将来有望な選手はいっぱいいる。ファブリシオ・ヴェルドゥムもサイボーグも活躍してきているしな。」
そんな話をしているうちに、車はフジマールの今夜のもう一つの仕事場に着いた。
その会場には、政治に熱心な市民が集まっていて、さまざまなリクエストを市議会に伝える場だと教えてくれた。なんだか場違いな感じもしたけど、たまには社会勉強も大切。

フジマールはある人に紹介してくれた。あとから聞いたら市長だそう!!凄いね!

左からクリチバ市、現市長とフジマール会長
今夜は、久しぶりにフジマールと再会できて本当に嬉しかった。再びチームが成長することを願ってる。それに今では市の政治に携わっている会長のもう一つの顔を見ることができた。明日の朝はもう一つの大きなCHUTE BOXEのアカデミーに行けたらいいな。
ランキング応援クリックよろしくね。1日1回有効だよ。

その人のチームは、南米人は時間を守れないというお決まりの期待を見事に裏切り、いつも予約した時間きっちりに現れ、わたしを大慌てさせた。それから試合数日前だというのに、短時間にびっくりするくらいの激しい練習をして、さわやかにホテルへと帰って行った。
わたしはそのチームが本当に大好きで、大会の度にみんなに会えるのが嬉しくてたまらなかった。
前回ブラジルに長期滞在していた時はアカデミーで練習させてもらっていたので、単なる仕事上の付き合いというより、ぶっちゃけ自分も一緒になって応援していた。日本で会うたびに、
「クミはいつブラジルに戻ってくるんだ?」
そればっかり聞かれた。わたしの答えは決まってこれだった。
「うーん、今は忙しすぎて帰れない、PRIDEが無くなったら帰れるよ。」
みんなで大笑いした。そんな日は決して来ないって思っていたからだ。
でもその日は本当に来た。そしてみんなに会えない時間が随分と続いた。わたしは何をしてても抜けがらみたいに過ごしていた。
いきなり会えなくなっちゃってから丁度1年、また再会できる日がやってきた。
今度はわたしが地球を半周してブラジルに帰ってきた。そして今度はわたしが彼のチームを訪れた、クリチバのCHUTE BOXEアカデミーだ。
でもあの頃のチームとは違う。ヴァンダレイもショーグンもニンジャもいないなんて、なんだかこの目で見るまで信じられない気分。
時間は決して止まらない。絶えず流れ続け、物事の形を変えていく。そしてチームの形も。
チームの代表選手がいなくなって、会長自身はどう思っているんだろう。はっきり聞いてみたい気がするし、聞いちゃいけない気もするし内心とっても複雑だ。約束の時間を少し過ぎたころ、フジマール会長が愛車の4駆で道場にやってきた。
「お久しぶりです、フジマール!」
「おー、元気だったかい?本当に久しぶりだ!!」

「今回はどれくらいクリチバにいるんだ?」
「えっと1週間くらいです。その後はまた旅に出る予定です。」
「またリオにいくのか?」
「へへへ。」
「そうか、そうか。楽しんでいくようにね。」
「フジマール、忙しいのにわざわざ今日は時間を作ってくれてありがとう。今は市のスポーツ関連の業務に携わってるって、実際はどんなお仕事をしているの?」
「クリチバ市の全てのスポーツに関する業務だよ。サッカー、バレーボール、テニス、バスケ...全てのスポーツだよ。」
「へーお忙しそうですね。」
「ああ、本当に考えることばかりだ。今日も本当は市民参加の会合があってね。既に大遅刻しているよ。」
「ええっ、もう行っちゃうんですか?」
「おっ、クミも来るか?」
「えっ、わたしも行ってもいいの?」
「ああ勿論だよ、着いてきなさい。」
そう言って、さっそくわたしたちは車の中に乗り込んだ。本当に多忙そうだ。車中で、正直な気持ちを話してみた。せっかく親切にしてもらってるのに、抜けちゃった選手の名前を口に出したら機嫌を損ねるだろうか。
「ねえ、フジマール聞きたいことがあって。わたしは、本当にチームのみんなが大好きだったから、今回みんなが抜けちゃったこと、とってもショックだった。」
「ああ、よくわかるよ。」
「辞めちゃった選手のことは今も凄い怒ってるの?それとも悲しい気持ちでいる?」
「ああ、この件は本当に多くの人々を驚かせたね。非常に残念だという気持ちでいるよ。わたしが作り上げた強いチームだからね。それに彼らを育てたのはわたしだし、彼らのことは本当に大好きでいたからね。」
なんだか、とっても複雑で寂しそうな表情に見えた。聞いてて、わたしもなんだか切なくなってしまった。でもこれはとっても大切で、これだけは聞かなきゃいけなかったことだから、聞けてよかった。
「ねえフジマール、これからまた若い選手をじゃんじゃん育てて強いチームを作っていくんでしょ。」
「ああ、そうさ。将来有望な選手はいっぱいいる。ファブリシオ・ヴェルドゥムもサイボーグも活躍してきているしな。」
そんな話をしているうちに、車はフジマールの今夜のもう一つの仕事場に着いた。
その会場には、政治に熱心な市民が集まっていて、さまざまなリクエストを市議会に伝える場だと教えてくれた。なんだか場違いな感じもしたけど、たまには社会勉強も大切。

フジマールはある人に紹介してくれた。あとから聞いたら市長だそう!!凄いね!

左からクリチバ市、現市長とフジマール会長
今夜は、久しぶりにフジマールと再会できて本当に嬉しかった。再びチームが成長することを願ってる。それに今では市の政治に携わっている会長のもう一つの顔を見ることができた。明日の朝はもう一つの大きなCHUTE BOXEのアカデミーに行けたらいいな。
ランキング応援クリックよろしくね。1日1回有効だよ。
(14:23)
